2014年09月09日

M3というイベント

妙に惹かれる曲というのがあって、好きではないんだけれども、何か不思議な魅力がある。
ラヴェルの「鏡」というピアノ組曲で、
http://www.youtube.com/watch?v=0VdZR3deNdI
しかしこいつは題名を知らないと理解しにくくなります。

1.蛾
2.悲しげな鳥たち 4:38~
3.海原の小舟 8:40~
4.道化師の朝の歌 16:03~
5.鐘の谷 22:40~

聴いてみると、ああなるほど、と思えますね。蛾の飛んでいる様子とか、船が波に乗っている様子とか、「鏡の谷」ってのは独特ですが、まあなんとなくわかるような気はする。曲の様子からして、なんとなく水晶の洞窟のようなイメージが出てきますね。
純粋に音楽と聞いてしまうと、わかりにくい。特にわれわれはポピュラー音楽など、歌モノに慣れているせいか、旋律を人間の声として聞いているようなところがある。
こいつの楽しみ方はね、マニアックな人たちは4度和音だの多調だのとわけのわからんことをいうのですが、それよりも映画のワンシーンのような想像をするとわかりやすいです。
映像と音楽を同時に楽しむような感じで。そう考えると曲を聴くのが10倍楽しくなる。
昔はこの曲がなかなか理解できずに困ったものです。楽譜を見てもトンチンカンな解釈しかできなかったし。

この組曲の中で一番有名なのは、4番の「道化師の朝の歌」で、よく演奏されるそうですが、まあ有名かどうかはどうでもいいです。
私見ですが、クラシック音楽で有名な曲というのは、本当にクラシックが好きな人は見向きもしない作品が多いものです。
たとえばショパンのノクターン2番。
http://www.youtube.com/watch?v=tV5U8kVYS88
こいつは専門家の間でも「しょーもない曲」とすこぶる評判が悪く、ショパン自身もあまり評価してなかった様子。
本当にクラシックの好きな人はね、13番が好きなんですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=-7mntyrW3HU
8番。これもいい。
http://www.youtube.com/watch?v=WJ8RVjm49hE
16番。独自の崩れた形式を持っていて、ちょっとわかりにくいけど、旋律の絡み合いが楽しい曲。
http://www.youtube.com/watch?v=TbPDxbUp0_g
私は7番とかが好きだったりしますが、これ好きな人はクラシック好きな人でもあまりいないですね。専門家の間では評価が非常に高かったりするのですが。
http://www.youtube.com/watch?v=QAcAWWU_0mE


10月の下旬にM3という、音楽専門の同人イベントがあるんですが、それに行こうと計画しています。サークルではなくて単なる客としてですが。
最近は「どういう需要があるか」というようなことばかり考えていて、作品への情熱を見失いがちでした。
しかしダ・ヴィンチがいうように、「芸術というのは魂がこめられなければ完成しない」というごとく、熱のこもらない作品は、わかる人にはわかるものです。わかるというより「バレる」んですね。

ダ・ヴィンチのいう「魂のこめられた作品」に、一つでも出会えれば、東京に行くだけの価値は十分にあるというものですよ。
しかしなかなかないのです、そういう作品が。「やりたいようにやる」なんて、同人の特権だと思うんですがね。ネットを探るとちょこちょことあるんですがね。


自分もノクターン集出したいね。
いや、ピアノ協奏曲を出したいね。

次々回のM3には何かもっていけるように、考えておきます。
ホンマに時間なかったらどうしようもないんですが。
しかしなんだな、昔は自分の作品にもかなり満足していたのに、最近作るものは、完成度は高いけど満足できない、そんなのが多い。
たぶんね、技術を前面に出しすぎているんですよ。熱が足りんのです。
posted by Valley at 22:48| 日記

2014年09月02日

ゲームの流行はどこから起きるのかという考察

物を売るためにはさまざまな要因があって、一概にこうすればいいというのはない。
ゲーム業界は、いまや多くの大企業が参入しているので、開発から広告、営業に至るまで、すべての総合力が影響しあって結果が出ているので、なかなか「売り上げ予測」とか「今年の流行は」とか、わかりづらい状況にある。けれども、少なくとも現在、「一人の天才がブームを作り出す」という可能性はほとんどなくなってきたような気がする。

ずっと昔から、何か「流行の仕掛け人」というのか、ブームの作り方みたいなものはあったかもしれない。それを考えれば、これから何が流行るのかわかるかも。

ゲーム業界の最初は、とりあえず任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)ということにしよう。それ以前にもゲーム機はあったけど、ゲームが本格的にビジネスとして大きくなり始めたのはファミコンの頃が始まりだったと思う。

いろいろ調べてみた。

ファミコンの発売日は1983年7月。最初のゲームソフトも同時に3つ発売した。
ファミコンのブームといえば、スーパーマリオブラザーズ。これは1985年の9月発売なので、ハードが発売してから2年もかかっている。
それまでに発売したものでは、ナムコのゼビウス、パックマン、ギャラクシアンあたりか。ただこれらも、あまり知っている人はいないと思う。パッとしないというか、名作といってる人は多いらしいけど、ブームというほどでもない。
1985年の12月にボンバーマンが発売しているが、当時はさほどブームにはならなかったと思う。
任天堂と別に、別に仕掛け人がいた。1985年から1987年にかけて、ハドソンのスターフォース、スターソルジャー、ヘクター87が、特に「シューティングゲーム大会」のようなものを開いて、当時は話題になっていた。
高橋名人なんかも出てきて、「16連射」を披露したりで、話題を呼んだ。この頃からすでにスクウェアがゲームをいくつか出しているが、まるで誰も注目しない。
ドラゴンクエストが発売したのは1986年で、この頃はあまりRPGはブームではなかった。2あたりから徐々にブームが始まってきて、3で頂点に達した。ドラクエ2は1987年、ドラクエ3は1988年。

こう見ると、まず始めに1986年あたりをピークにシューティングゲームがブームになり、次に1987,8あたりでRPGがブームになり始めた。この後RPGはずっと繁栄を続けていくが、シューティングはここらがピークの限界で、後は沈む一方だったと思う。
この頃の流行は、スーパーマリオのほか、くにおくんシリーズとかグラディウスとか、野球ゲームとかアニメの版権モノとかいろいろあって、別にRPGだけが一人勝ちしてたわけじゃないが、とりあえずはこの辺からRPGブームが始まっていたような気がする。
流行というのは、そのときで一つのものだけが流行し、それが終わってから次が……というものではなく、同時にいくつも、時期を微妙にずらしながら発生したりする。あるものが流行っている裏で、別のものが今にも流行ろうとしている、というようなことが、同時平行で進む。

さて、この頃のユーザーというのは小学生くらいの少年が中心だったので、いったい彼らがどこから情報を入手していたのかが気になる。ゲーム雑誌じゃない。小学生はそんな雑誌は読まん。
この頃の情報媒体は、漫画だった。コロコロとかボンボンとか、そんな名前の漫画雑誌があったが、それらがゲームを題材にした漫画を多数描いていたり、ゲームの紹介をしたりしていた。それ以外にも漫画はあった。たぶん小学生のゲーム情報源はこのあたりだった。
アニメは関係なかった。小学生の読む漫画雑誌というのは、ジャンプとかじゃない。あれはもう少し大人の、思春期以降向けだと思う。
当時の漫画雑誌でシューティングゲームとか騒いでおり、漫画の中でゲーム対戦させるものをたくさんあった。RPGなんかだと、漫画の主人公がゲームの世界に入り込んだ設定だったりした。

というわけで、ファミコン時代の流行の仕掛け役は、「小学生向け漫画」だったと思う。たぶん。
漫画雑誌の中で、簡易なゲームレビューなんかもしていたので、そういう影響もあった。ある程度マイナーなゲームでもレビューが行われていたりしていたが、それすら不可能なゲームは、いきなり店頭で売出すしかない。
しかし当時5000円近くのゲームソフトを、小学生が選択するのはかなり慎重になる。もし漫画という媒体を使わなければ、面白いゲームでも購入させるのは絶望的だったと思う。たぶん、玩具店でパッケージを見て気に入って買う……という人もいただろうが、少数だったと思う。


この頃は、漫画雑誌に売り込まなければどうにもならなかった、つまり、流行の仕掛け人は漫画であり、企業がコントロールすることができた。


ファミコン以外にもゲームハードはあったが、あまり知られていないので無視する。次は1990年11月に発売したスーパーファミコンだ。ファミコンの発売から7年経っている(後から言及するが、この「7」くらいの数字が重要だ。私見で、一つのブームはだいたい6〜8年くらい続くと見ている)

スーファミでもスーパーマリオは相変わらず売れていたが、本当のブームはやはりRPGにあった。この頃からようやく出てきたのだが、ファイナルファンタジー4は1991年7月、ドラゴンクエスト5は1992年9月、やはりハードの発売から1〜2年かかっている。
それともう一つのブームが、対戦格闘だった。ストリートファイターシリーズがその始まりだった。最初のストリートファイター2は、1992年6月。
スト2はどこから出てきたのかというと、どうやらゲームセンターらしい。ゲームセンターでは1991年に出ており、10代後半〜サラリーマンまでやってたらしいが、これがスーファミに移植されて、小中学生までやるようになった、ということだった。ここで、流行のもう一つの仕掛けとして、ゲームセンターで出す、という方法があった。これは上手い方法だと思う。いきなり店頭で5000円出すよりも、とりあえずはゲーセンで100円出して試してみて、気に入ったら店頭で購入すればいい。「ハズレ」を引く可能性が少ない。

スト2の流行はかなり重要かもしれない。ゲームセンターからユーザーを青年層まで取り入れたことで、ゲーム雑誌にアピールする方法ができ始めた。雑誌という媒体なら、10代くらいの少年には全般的にアピールできる。もちろん漫画雑誌も宣伝媒体になっていたとは思うけど、このあたりから雑誌でレビューするなど、出版を通してアピールする方法がとられるようになってきた。
雑誌はカラーのものが多く、グラフィックの向上をアピールするには最適だった。グラフィックの技術は売り上げを左右したようだった。それで、ファイナルファンタジーのようなきれいな映像のものが、特に売り上げを伸ばしていたように思う。

ついでに、ファミコンのシューティングゲームも、実はゲームセンターからの移植が割りとあって、たぶんゲーセン常連の中高生なんかもファミコンソフトをそこから買っていたと思うが、当時はなぜかファミコンをやっているのは小学生くらいの子供が多く、小学生はゲーセンには行かない。なのでこの時期にゲーセンでアピールするのは、あまり意味がなかったようだ。


それで結論だが、スーファミ時代の流行の仕掛けは、漫画、ゲームセンター、ゲーム雑誌と、選択肢が増えたようだ。やはり店頭でパッケージを見て買う、という人はいなかったと思う。


次のブームはプレイステーションで、1994年12月。同時にセガサターンも発売した。

この頃はかなり競争が激化していていろいろ出てた気がするが、相変わらず対戦格闘とRPGが流行っていたと思う。それ以外のジャンルとしては、リッジレーサーのようなレースゲーム、バイオハザードシリーズ、後は古参の定番シリーズもの(ロックマンなど)だったと思う。
このハードはポリゴンを用いた3D表現が可能になったので、それを利用したゲームが出てきた。レースゲームがその代表だけど、対戦格闘にも3Dが使われたりした。というか、なんでも3Dでやるようになってきた。
3Dとは別のところで、2Dの処理技術も高くなってきた。この時代、別のところではパソコンのハード性能向上にともない、パソコンゲームではアダルトゲームが流行し、その移植モノがプレステとかで発売されていた。ゲームセンターの脱衣麻雀なんかも移植された。要するに、ギャルゲーとか恋愛ゲームとか、そういうのがこの頃から出始めた。これの根本は、ハードのグラフィック性能の向上にある。
シューティングゲームもゲームセンターから細々とアピールしていたが、流行にはならなかった。RPGもポリゴンになった。

このあたりからすでに混交玉石といった感じで、ソフトが異常に大量に開発され、ブームの波も緩やかになってきた感じがする。次のハードはプレステ2,3と性能は上がっていくが、これといってぶっ飛んだブームはやってこない。定番RPGがずっとブームだったが、対戦格闘は徐々に衰えていった。それで現在に至る、といった感じだ。この辺は変化が緩やかで、ゲームは大企業が製作し、開発費も膨大になっている。


流行の仕掛け方だが、インターネットが盛んになる1990年後半〜2000年あたりから、ネットで情報が飛び回るようになった。ネットが出てくるまでは、やはり漫画、ゲーセン、ゲーム雑誌だったと思う。つまり企業がコントロールできていた。
インターネットが出回り始めてからは、ネットでゲーム評論なんかも情報媒体になってきていたと思う。ゲームの種類も、ブラウザゲームやソーシャルゲームが出てきてからは、ネット上のプラットフォームで、ゲームを発売すると同時に宣伝効果もある、という具合だった。そのゲームサイトを見ればだいたいわかるので、わざわざ雑誌を買う必要もない。ゲームセンターは潰れまくっているし、ネットが出る前と出た後では、もうすっかり流行の仕掛け方は変わってしまっている様に見える。ただしゲーム雑誌は今でもあるので、それはまだ健在か。ただしゲーム雑誌の代わりができるウェブサイトはたくさんあるように見える。


ところで、ファミコンは約7年、スーファミは約4年、プレステは6年、プレステ2は6年。
スーファミはちょっと早死にした気がするが……だいたい単一ハードの流行は、6年くらいが目処じゃないかと思う。
そのハードの流行が終わりかける頃、ブームが終わりそうでこれはいかんと思ってハードメーカーが一生懸命ハードを開発するんだろうか?とにかく、だいたいゲームの流行は6年のようだ。
そういえば、ソーシャルゲームのグリーとモバゲーがいろいろやりだしたのは2008年くらいかららしいが、業績が下がって騒いでいたのはつい1,2年前の話だ。やっぱり6年程度で流行が過ぎ去るのかもしれない。
スマートフォンが本格的に皆が持ち出したのは、つい数年前のことで、とりあえず2010年くらいがはじめだとすると、この流行もあと2年くらいで終わりだろうか。といっても、グーグルプレイとかが今の主流というだけで、今後はスマホのハード性能向上が、プレステ1→2のような変化に相当するかもしれない。
新しいブームが「スマホの中の○○」とかになるかもしれないけど。

これらの流行の仕掛け方は、プラットフォーマー(グリーとかモバゲーとか、グーグルプレイとかAppStoreとか)が、トップページに大々的に宣伝したりして行われる。要は、大流行するようなゲームはたいてい企業がコントロールしてるわけだ。もちろん口コミとかが原因で流行ることもあるし、昔に比べて情報の伝達が早いので、昔のように「漫画雑誌に載せられなければどんなクオリティだろうが絶望的」というふうにはなっていないらしい。突然無名のゲームクリエーターが大流行を起こすことも、たまにある。
要するに、今の流行を見たければ、直接グリーのサイトとかグーグルプレイを見ればよい。ネットでほかにレビューサイトがあるかもしれないし、ゲーム雑誌を立ち読みしてレビューを見る手もある。動画サイトでゲームの実況が行われていたり、SNSで情報が入ってくることもある。現在、流行の「仕掛け」は多様化していて、ゲーム媒体もブラウザからスマホ、据え置きとか、たくさんあるので……「この一点に資金をぶち込めば流行を引き起こせる」というような確定要素がなくなってきてるようだ。

小規模&多数の時代。

当面は、スマホアプリとブラウザゲームが同時並行で、クオリティ競争が続くような気がする。
昔は新しいハードが発売して、突然ハード性能が上がったのだが、今はスマホの性能は少しずつ上がっていく。ので、時代が進むにつれ、ハード性能が徐々に向上、それにしたがってゲーム性能も徐々に向上、という、緩慢な変化で進みそうな気がする。
するとまあ、ほうっておくととんでもない数のゲームが市場にあふれて、ニコニコ動画みたいに、検索不能の事態に陥り、やがては大企業による定番シリーズ以外何も売れなくなるとか?なる可能性もあるけど、今はまだそうなってないようだ。その頃には別のプラットフォームが出てるかもしれないけど。

スマホが普及してから、あと2年でだいたい6年。この辺から何か新しいものが出てくるか?それともやはり、緩慢にハードの性能が上がっていくのか。
ハードではなく、特定のヒット作が突然出たりすると、それによって流行が大きく左右されていく、という流れができるかもしれない。
posted by Valley at 23:17| 日記